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日本歯科大学メールマガジン

第452号 2020年4月15日

日本歯科大学メールマガジン

令和2年    
5月5日(祝)   新潟生命歯学部 入学式 
7日(月)   生命歯学部 入学式
2〜5年 授業開始 東京校
8日(土)   2〜5年 授業開始 新潟校

コロナウイルス感染拡大のために、大学の5月教務日程が発表されていません。
校友会本部の事業、出張等も未定となっています。
 

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1.役員会からの掲示板を更新しました。(4/1・2・10)
2.歯科界における諸問題のポイントを更新しました。(3/27)
3.メールマガジン451号を掲載しました。(3/23)


*趣味の世界で異能を発揮している校友の情報をお寄せ下さい 自薦・他薦可
ホームページ「Hobbyな人々」に掲載します

 
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1.学校法人 辞令

4月1日に発令された辞令で、新潟生命歯学部歯学部長の藤井一維学部長が日本歯科大学学長に任命された。

2.日本歯科大学附属病院の診療体制変更につい 4月7日

 東京都内での新型コロナウィルスの感染拡大を受け、患者さんへの感染症を防止するため、令和2年4月8日(水曜日)から5月6日(水曜日)までの間、診療を縮小する体制を取ります。 当院の診療は以下の通りとしますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。なお、最新の情報は当院のホームページでお知らせいたします。
  


歯 科:必須の治療(激痛・強い腫脹・重篤な歯性感染症・外傷)等に対応いたします。
医 科:通常どおりの診療を行います。
その他:情勢により期間を延長する可能性があります。

日本歯科大学附属病院

口腔リハビリテーション多摩クリニックの診療体制変更について
 東京都内での新型コロナウィルスの感染拡大を受け、基礎疾患のある方やご高齢者が多く診療対象となっている多摩クリニックにおいて、患者さんへの感染防止するために、令和2年4月9日(木曜日)から5月6日(水曜日)までの間、診療を縮小する体制を取ります。情勢により期間を延長する可能性がありますのでご了承ください。
 当クリニックの診療は緊急性のある患者のみとしますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。なお、最新の情報は当クリニックのホームページでお知らせいたします。

日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック

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1.医療従事者、52カ国2万2000人感染
 毎日新聞  4月13日   

 世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスに感染した医療従事者が計2万2073人に上ったと発表した。8日までに報告があった52カ国の集計で、体系的な調査ではないため、世界全体ではさらに多いとみられるとし、各国に感染防止策の強化を求めている。
 イタリアの10日付の報告では、1万5314人の医療従事者が感染し、全感染者の11%を占めるまでになっている。中国でも2月17日時点で感染者の3.8%に相当する1688人が医療従事者だった。軽症で済んだ例が多いが、重症化し死亡した例も報告された。 WHOによると、病院などの医療現場だけでなく、自宅で家族から感染した例も多いとみられる。医療現場では、感染の確認が遅れた患者に接したことや、マスクや、ゴーグル、防護服などの不足も感染の原因となっていた。マスクなどの正しい着脱方法が守られていなかった例もあった。

2.オンライン診療で感染爆発への備え急げ
 日本経済新聞 電子版4月9日

 安倍晋三首相が7都府県に緊急事態宣言をした最大の理由は、新型コロナウイルスの感染増大を抑え、医療現場が立ちゆかなくなるのを防ぐことにある。だが人どうしの接触を減らしてほしいという要請は徹底されず、感染爆発が現実になる恐れは拭えない。医療界は関係自治体などとの連携を深め、最悪の事態に備える必要がある。そのためにも、オンラインで患者を診る遠隔医療を着実に広げるべきだ。
 首相の諮問機関、規制改革推進会議が感染対策として医療・教育のオンライン活用を促す意見書を出した。オンライン診療については、厚生労働省が難色を示していた「受診歴がない初診患者」を含めた適用を求め、政府が緊急経済対策に盛りこんだ経緯がある。
 急ぐべきは、医師と患者の双方が望めば、オンライン診療がきちんと機能するようにすることだ。これは、感染者治療の現場にとってきわめて切実な要請である。感染したか否か不明な人を診るには医師や看護師は、ゴーグルや防護服で完全防疫態勢をとる必要がある。しかし、これらは品不足だ。用意がない診療所も多い。
 診療所の医師がオンラインで問診などをし、感染の疑いが強い人は病院の専門外来につなぐ役割を担えば、医師や看護師の感染リスクを減らせる。院内感染を恐れての診療拒否対策にも有効だ。 政府は初診患者などへのオンライン適用期限を感染収束までと区切った。だが診療側と患者側にその有効性・安全性・利便性が浸透すれば恒久化へ道が開けよう。私たちが求めてきた医療機関の役割分担も喫緊の課題だ。重篤者は感染者病床などで集中治療、軽症や症状がない人は施設で療養という態勢づくりに、東京都をはじめ各自治体が取り組んでいる。
 軽症者の施設への円滑な移動に向け、首長は必要に応じ自衛隊にも協力を求めればよい。施設内では、重症化した人を円滑に専門病院に戻せるよう医師・看護師の配置に工夫を凝らすべきだ。日本全体で医療人材の確保が焦眉の急である。感染者治療を優先するあまり、ほかの診療科に悪影響を及ぼしてはなるまい。日本看護協会によると、離職中の看護職5万6千人が復職を希望している。できるところでぜひ復帰してほしい。さらに専門医の再配置や医学生の活用を含め、医療界の総力を結集するときだ。

3.デジタル技術導入で歯科医療を守れ 高知大、材料企業と効率化研究講座
 毎日新聞 3月30日

 歯科医療の現場へのデジタル技術導入を進めるため、歯科材料メーカー「YAMAKIN」(大阪市)と高知大が共同研究の場となる「次世代歯科医療開発講座」を設置した。デジタル技術の導入で作業効率の向上などを図り、地域医療の維持につなげていくことが狙い。講座の期間は今月1日から2025年2月28日まで。
 高知大が企業や団体と連携し、予算や研究員を受け入れて共同研究を進めるのは、18年開設の「高知馬路村ゆず健康講座」に続いて2例目。今回は、同大医学部の山本哲也教授らが6人体制で研究を進める。YAMAKINは香南市に生産拠点を持ち、商品の安全性検査を高知大に依頼してきた。歯科医療業界の課題に取り組もうと、高知大に共同研究を持ちかけた。
 県内では歯科衛生士や歯科技工士、個人経営の材料卸店などで高齢化が進行。人員確保が難しくなっており、関係者の負担軽減が喫緊の課題という。共同研究は、デジタル技術の現場への導入と、関係機関の情報共有促進が大きな軸。訪問医療の現場に口腔内スキャナーを取り入れたり、集積されたデータを災害時の身元確認に役立てられるようにしたりする。
 患者情報の一括管理・共有方法や、病院から技工所への文書フォーマットの一元化なども検討する。
 26日に高知大岡豊キャンパス(南国市)で開かれた記者会見で「YAMAKIN」の山本樹育社長は「(研究が)成功した暁にはロールモデルになる。日本の歯科医療を守る夢のある取り組みだ」と期待を込めた。。

4.ライオン 口臭対策できる歯磨き粉、強い刺激に
 日本経済新聞 電子版 3月23日

 ライオンは口臭対策ができる歯磨き用品のブランド「NONIO(ノニオ)」から、刺激を強めにした歯磨き粉「ハミガキ スパイシーミント」を4月1日に発売する。商品は医薬部外品。清涼感を持続させる成分を従来品より増量し、爽快な使用感になるよう工夫した。歯磨き用品に強い刺激を好む人が多い2O〜30代の男性らを中心に取り込む。
 洗浄成分の「炭酸水素ナトリウム」と「ポリリン酸ナトリウム」のほか、有効成分となる殺菌成分などを配合した。口臭の原因となる菌のかたまりを分散し、落としやすくするという。清涼感を持続する香料も配合し機能を高めた。価格はオープンで想定価格は容量130グラムで360円前後。ノニオはライオンが2017年8月に発売した。身だしなみとして口臭対策をしたい若者世代を主要購買層として狙う。

5.刑事事件で有罪確定の医師と歯科医師の3人処分 厚労省
 毎日新聞 3月18日

 厚生労働省は18日、刑事事件で有罪が確定した医師と歯科医師計3人を業務停止3年〜8力月とする行政処分を決めた。医道審議会の答申を受けた。効力は4月1日から生じる。他に医師1人を厳重注意とした。
 厚労省によると、業務停止3年は、神奈川県藤沢市の歯科医師(70)。横断歩道の横断者を乗用車ではねてけがをさせたなどとして自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)と道交法違反の罪で有罪判決を受けた。また、福岡県柳川市の医師(34)は業務停止1年6カ月で、大麻取締法違反の罪で有罪判決を受けた。千葉県山武市の歯科医師(45)は業務停止8カ月で、道交法違反などの罪で有罪だった。

 
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歯科界における諸問題のポイント

歯科技工士法と海外技工物

常務理事 徳田 和弘

【はじめに】
 国民に安全な歯科技工物を提供することは、歯科医療機関として当然の責務である。しかし、海外で作成された技工物については、国内法は及ばない。この問題に行政はどのように対応してきたか。また、歯科医師がなすべきことや、今後の課題について述べたい。

【歯科技工物に関連する法律】
わが国において、歯科材料や歯科技工物は、その汎用性の有無により規制の対象となる法律が異なる。すなわち、汎用性を有するもの(歯科材料)は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(旧薬事法)が、汎用性のないものは、「歯科技工士法」が対象となる1)。従って、歯科医院で個々の患者に提供される技工物は、一般的に汎用性がないため、歯科技工士法が対象となる。
 ちなみに、歯科技工士法第2条では、「歯科技工」を以下の様に定義している。この法律において、「歯科技工」とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物又は矯正装置を作成し、修理し、又は加工することをいう。ただし歯科医師(歯科医業を行うことができる医師を含む。以下同じ。)がその診療中の患者のために自ら行う行為を除く。
 また、第17条では、歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行ってはならない。としている。

【海外技工物に対する国の対応】
歯科技工士法は、国内における歯科技工に関する法規であり、海外技工物はその規制の対象とならない。しかし、物流システムの発達等により、海外で作成された技工物が国内で提供されるようになると、国民の関心も高まり、患者に対して、安全で信頼できる技工物を提供できるよう、厚生労働省は以下の各種通知2)を発出してきた。

平成17年9月「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて」
平成22年3月「補てつ物等の作成を国外に委託する場合の使用材料の指示等について」
平成22年6月「歯科医療における補てつ物等のトレーサビリティに関する指針」
平成23年9月「歯科医療の用に供する補てつ物等の安全性の確保について」

 これら通知の発出により、歯科医師は患者に対して、使用材料やその安全性、また補綴物に関する情報提供を十分行い、同意を得るよう努めなければならない。
 委託先に対しては、作成場所(名称及び所在地)・使用材料を明示して指示し、要点等を診療録に記載することが求められている。また、委託先から納品の際には、「補てつ物管理表」及び使用された歯科材料に関する帳票等を取得し、指示内容に基づき作成されたかどうか確認を行い、トレーサビリティの確保に努めなければならないとされている。

【海外技工物に関する調査研究】
あ 厚生労働省は、平成20年度に「歯科補綴物の多国間流通に関する調査研究3)」を、さらに平成26年度には「歯科技工物の多国間流通の現状把握に関する調査研究4)」を実施し、海外技工物の発注状況について、6年間の変化を知る目的で調査を行った。
 これら調査によると、発注先国として最も多いのが中国で84.6%、次いでアメリカ15.4%、韓国7.7%の順になっており、具体的な技工物の内容としては、ノンクラスプ義歯が61.5%で突出している。海外に発注する理由としては、国内で製作する技術・材料がない、が38.5%で一番多く、これはある程度納得のいく結果と言える。
 一方、海外に歯科技工物を発注する割合は、6年間で7.4%から3.1%に減少している。これは、平成17年以降の度重なる通知や、海外発注の約6割を占めるノンクラスプ義歯が、平成22年4月に薬事認可されたこと、中国製技工物の一部に、有害物質が含まれているとするメディア報道等が影響していると考えられる。
 また、発注する際の指示の有無については、「取引先の歯科技工所に任せてある」が76.9%であった。これは技工の「再委託」にあたり、国内では歯科技工士法第18条、歯科医師の指示書によらなければ業として歯科技工を行ってはならない。に違反する。海外技工物であっても、トレーサビリティ確保の観点からも、歯科医師は委託過程・作成過程の情報管理に努めなければならない。

【まとめ】
 厚生労働省の調査結果から、海外技工物は減少傾向にあるものの、一定数存在していることが認められる。患者にとって、安心で安全な補綴物を提供するために、また患者との信頼関係を維持するためにも、歯科医療機関と技工所(委託先)は情報を共有し、トレーサビリティの確保のために、連携を築いておくことは必須である。これは海外技工物のみならず、国内においても同様である。
 近年、普及が進むCAD/CAMに代表されるデジタル技術は、トレーサビリティの確保が容易にできることがメリットとされている5)。一方で、コンピュータ管理されるデータは、国内外を問わず容易にやり取りできるため、更なる普及に伴い、作成過程のボーダレス化が一層進むと考えられる。国内法が及ぶ範疇はどこまでか?等、今後加速するであろうデジタル化への対応が求められる。

【 参考文献 】

  1. 歯科技工に関する国の施策等について 日本補綴歯科学会8巻3号 2016年
  2. 厚生労働省HP 医政通知
  3. 歯科補綴物の多国間流通に関する調査研究 厚生労働省科学調査研究 2009年
  4. 歯科技工物の多国間流通の現状把握に関する調査研究 厚生労働省科学貯砂研究 2015年
  5. 歯科補綴に関する医療機器・歯科用材料・補綴装置の安全管理について
    日本歯科補綴歯科学会 8巻3号 2016年
 
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