1.診療報酬、ネットで1.19%のマイナス改定に 予算大臣折衝
12月18日 厚生労働省 |
厚生労働省は12月18日、同日の予算大臣折衝の結果、診療報酬本体の改定率が0.55%に決まったと発表した。薬価改定率は▲1.65%、材料価格の改定率は▲0.09%で、診療報酬本体と薬価・材料価格を合わせたネットでは、1.19%のマイナス改定で決着した。
診療報酬本体の各科改定率は、▽医科:0.63%▽歯科:0.69%▽調剤:0.19%。薬価の改定率の内訳は、実勢価格を踏まえた改定▲1.36%、薬価制度の抜本改革▲0.29%となった。このほか大型門前薬局に対する評価の適正化を行うことも明記した。一方、介護報酬の改定率は0.54%、障害福祉サービス等報酬の改定率は0.47%に決定した。
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2.18年度予算 医療など3報酬改定固まる 人件費プラス
12月16日 毎日新聞 |
2018年度予算編成の焦点になっていた診療、介護、障害福祉サービスの3報酬の改定率が15日、固まった。医師や看護師、介護職員らの人件費につながる報酬はそれぞれ0.47〜0.55%引き上げるなど、賃上げを重視する政権の姿勢を色濃く反映した改定となった。18日に加藤勝信厚生労働相と麻生太郎財務相が折衝し正式に決定する。
診療報酬は2年に1度、介護、障害福祉サービスの報酬は3年に1度見直され、同時改定は6年に1度。診療報酬のうち、薬や医療材料の公定価格である「薬価」は、市場の実勢価格に合わせた引き下げや制度改革による削減分を含め1.74%程度のマイナス、医師らの人件費や技術料に当たる本体部分は0.55%引き上げる。プラス改定は6回連続。厚労省調査で16年度の一般病院の利益率がマイナス4.2%と過去3番目に低く、引き上げを求める日本医師会や自民党厚労族に配慮した。診療全体ではマイナス1.19%程度となる見通し。マイナスは2回連続。この結果、薬価部分は国費で1900億円程度の国民負担が減り、本体部分にあたる診察料などは600億円程度の負担増になる。
介護サービスの公定価格である介護報酬は、0.54%のプラス改定で6年ぶり。16年度の介護事業者の利益率が14年3月に比べて4.5ポイント下がって3.3%と悪化したことに加え、政権が介護人材の処遇改善を進めていることなどが影響した。また医療と介護の両分野で連携を進めており、引き上げ幅をそろえた。国費で約150億円に相当し、利用者の自己負担増や介護保険料の引き上げが見込まれる。障害福祉サービスの事業所に対する報酬はプラスの0.47%。同報酬は現行の報酬制度になった06年度以降、マイナス改定をしたことはなく、障害福祉施設で働く職員の処遇改善を進める狙いがある。
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3.カルテ開示 高額な手数料 国が実態調査 特定機能病院85施設対象
12月13日 毎日新聞 |
カルテ開示の手数料を巡っては、「医療情報の公開・開示を求める市民の会」(大阪市)が5,000円以上の手数料を請求している病院があるとして、個人情報保護法の規定に反する疑いがあると指摘。これを受けて厚生労働省は高度な医療技術を提供する「特定機能病院」(85施設)を対象に実態を調べている。高額な手数料は開示請求する権利を制限することになりかねないため、調査結果を踏まえ、改めて法令の趣旨を徹底する方針だ。
同会によると、私立病院ではコピー代とは別に、5,000円以上の手数料を徴収している所が少なくない。一方、国立大学病院では手数料は無料という。同法は手数料について「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内」と規定している。明確な金額の線引きをしていないが、「本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの開示を請求することができる」として開示請求権を認めている。
長女を陣痛促進剤による医療事故で亡くし、同会代表を務める勝村久司さんは、高額な手数料を取り、カルテ開示を制限することは医療事故を防ぐ視点からも見過ごせないという。「医療事故が繰り返し起こる背景にはカルテの隠蔽(いんぺい)や改ざんがある。これを防止するには日常的に患者側が情報を共有することだ。そうすれば改ざんはできない」と指摘する。さらに「医師にとっても患者と日常的に情報を共有していれば、仮に治療の結果がよくなくても、その過程を知ってもらっているので、患者側に受け入れてもらいやすくなる」と双方にとってメリットがあると強調する。
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4.平均寿命、男性は滋賀が初の首位 女性は長野 (一部掲載)
12月13日 日本経済新聞 |
厚生労働省は13日、2015年の都道府県別の平均寿命を発表した。男性は前回調査(10年)で2位だった滋賀が81.78歳で初の首位となった。女性は87.675歳の長野がトップで、岡山と0.002歳の僅差ながら前回に続き首位を維持した。平均寿命が最も低かったのは前回と同様に男女とも青森で、男性は78.67歳、女性は85.93歳だった。
都道府県別生命表は1965年から5年ごとにまとめており、今回で11回目。全国平均は男性が前回調査より1.18歳延びて80.77歳、女性は0.66歳延び87.01歳だった。男性の首位は前回まで5回連続で長野が首位だったが、今回は滋賀が初めて1位となった。厚労省は「滋賀は食塩の摂取量が少なく、喫煙者の割合も低い」と話す。滋賀の次は長野(81.75歳)で、京都(81.40歳)、奈良(81.36歳)、神奈川(81.3歳)の順だった。
女性はトップの長野と0.002歳の僅差で岡山(87.673歳)が続き、島根(87.64歳)、滋賀(87.57歳)、福井(87.54歳)。1975年から2005年まで女性の1位だった沖縄は87.44歳で今回7位。沖縄の女性は75歳の平均余命はトップだったが、若い世代の平均余命の延びが小さく、前回の3位から順位を下げた。
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4.バイク講習 歯科医師に 災害機動力強化へ
12月9日 毎日新聞 山梨版 |
県歯科医師会は8日、災害時に遺体の身元特定のための検視をする歯科医師向けのバイク操縦訓練を行った。県警交通機動隊が協力。被災地を迅速に移動する機動力を確保する狙いがある。歯科医13人が参加。交通機動隊員に教わりながらオフロードバイクに乗り、基本的な操縦方法を確認した。
2011年の東日本大震災の際、県歯科医師会から派遣された3人が、がれきなどでスムーズに移動できなかった教訓を踏まえ、訓練が実施された。警察歯科医委員会の若尾徳男委員長は「少しでも早く遺体を家族の元に返せる環境を作りたい」と話した。
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