1.第2次堀執行部が発足
6月16日 日本歯科医師会 |
日本歯科医師会は第1回理事会を6月16日、第185回定時代議員会終結後に開催し、第2次堀執行部が発足した。
理事会では、会長予備選挙に当選した堀憲郎*氏を代表理事(会長)に選定したのを始め、副会長に柳川忠廣(総務、会計、厚生・会員、学術、学会、広報/静岡)、佐藤 保(地域保健Ⅰ・Ⅱ、国際渉外/岩手)、牧野利彦(社会保険、医療管理・税務、器材薬剤、情報管理、研究機構/大阪)の3氏が、専務理事に村岡宜明氏(神奈川)が、常務理事に遠藤秀樹(社会保険/福島)、杉山茂夫(器材薬剤、情報管理/千葉)、古橋曾治(会計、厚生・会員/福岡)、高野直久(地域保健Ⅰ/東京)、小林慶太(学術、国際渉外、学会/千葉)、小玉 剛(地域保健Ⅱ/東京)、三井博晶(医療管理・税務/京都)、小山茂幸(広報/山口)、瀬古口精良(総務/大阪)の9氏が、
理事に森口浩充(医療管理・税務/奈良)、藤原元幸(広報/秋田)、荒川信介(会計、厚生・会員/広島)、宮口 嚴(器材薬剤、情報管理/長崎)、蓮池芳浩(総務、広報/石川)、砂川 稔(地域保健Ⅰ・Ⅱ/千葉)、山口武之*(社会保険、研究機構/新潟)、有松美紀子(地域保健Ⅰ・Ⅱ/新潟)、佐藤真奈美*(学術、国際渉外、学会/宮城)、寺田仁志(学術、国際渉外、学会/東京)の10氏が就任した。理事者は全て業務執行理事。*は校友会会員
なお、常務監事には、豊嶋健治(香川)、渋谷國男(東京)、山口勝弘(青森)の3監事の互選により、豊嶋氏が就任した。
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2.「安倍1強」生かせず アベノミクス5年、骨太方針決定
6月10日 日本経済新聞より一部抜粋 |
政府は9日の臨時閣議で、第2次安倍政権で5回目となる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と成長戦略を決定した。アベノミクスは2万円台に回復した日経平均株価や堅調な有効求人倍率の成果が際立つものの、経済の体温を示す潜在成長率は上向かない。規制改革などを武器とした成長力のエンジンは不完全燃焼のままといえ、政権が掲げる経済最優先の看板はかすんで見える。
社会保険改革は選挙を前に増税を先送りしたり、社会保障の充実を約束したりする「選挙優先」で取り組みが遅れている。もっとも、社会保障費の伸びを年5000億円に抑制しているように、政権が改革に取り組んでいないわけはない。評価が低いのは「安倍政権のように豊富な政治資金があるならばより大きな改革がなし遂げられるのではないか」との期待の裏返しだ。
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3.「経済財政運営と改革の基本方針2017」に対する考え
6月9日 日本歯科医師会 |
日本歯科医師会は6月9日(金)に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針2017)」について、引き続き「世界に冠たる国民皆保険を維持し、これを次世代に引き渡すことを目指す」と明記されたこと、並びに歯科医療、口腔機能管理に関して充実するべき部分が明らかになっていることを評価する。歯科界は10年以上にわたり、歯科医療、口腔健康管理が全身の健康に大きく資することを様々なエビデンスを示して発信してきた。今回の骨太の方針に「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」と明記されたことは歓迎する。日本歯科医師会として、この取り組みの推進に関して、多くの具体的政策提案を有しており、今後それらを明確に示していきたい。
日本歯科医師会はこの他、骨太の方針2017について、以下のように考える。
日本経済の現状と新しい歯科医療提供体制の構築について
4年半のアベノミクスの取組には、様々な評価が存在するが、名目GDP、企業収益、雇用等の改善があり、経済の好循環が回り始めているとの評価であれば、一方でその背景に国家の基幹である社会保障の過度な抑制による歪みが生じていないか、しっかりと確認いただきたい。-世紀に近い歴史を有し、先人の献身的努力により世界に冠たる制度に発展し、我が国を世界一の長寿国に導いた公的医療保険制度が、財政面での危機を迎えている現状に直面し、歯科界も如何にして危機的状況を克服し、超高齢社会における将来像を得るか、長年にわたり議論を重ね、発信を続けてきた。
我々は長寿社会においては単に長く生きることだけを目標にするのではなく、食べる、話す、笑うという生活の基本を人生の最期まで全うすることを目指すべきであり、そのことが医療の財政側面に貢献することを示すとともに、そこに歯科医療の新しい役割と責任を果たすという明確な方向性と目標を得ている。国民の全てが、老後の医療を含む社会保障に安心感をもつことが、消費の活性化、経済の活性化にもつながるものと認識しており、日本歯科医師会は国民の健康と生活を守る立場で責任を果たしていきたい。
働き方改革と人材投資を通じた生涯現役社会の実現について
歯科界においては歯科技工士、歯科衛生士等の関連職種の人材確保が慢性的な問題となっている。歯科医療、歯科保健の重要性が広く理解されている現状にあって、国においては歯科関連職種に関する職業告知、養成機関への補助金、学生への奨学金等、-億総活躍社会実現の一環として取り組んでいただきたい。また歯科分野におけるキャリアパスが不十分であることや、女性歯科医師の復職支援も日本歯科医師会で取り組んでいる重要課題の一つであり、国と協力の下での推進を図りたい。
成長戦略の加速等について
特にピッグデータの活用により、歯と口腔の健康と全身の健康の関係がさらに明らかになるものと認識される。データベース構築と利活用に関する法整備の段階から提言していく機会を得ていきたい。さらに長寿社会における歯と口腔を含む疾病構造の変化に適切に対応し、健康寿命の延伸を図るには、歯科産業界のさらなる活性化による医療インフラ整備は不可欠であり、その観点に立って、歯科医療分野における成長戦略の議論を深めていきたい。
国土強靭化・防災、成長力を強化する公的投資への重点化について
大規模災害時における、身元確認、避難所での歯科保健活動の重要性は明らかになっており、本歯科医師会としても歯科情報の標準化等様々な取り組みを進めている。骨太の方針の方向性を踏まえた取り組みをさらに進めたい。
地域医療構想及び医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等について
地域医療構想の実現には、かかりつけ医、かかりつけ歯科医の果たす役割が大きいことは論を待たない。その視点から地域医療構想の基盤となる地域医療介護総合確保基金については、病床機能の分化のみならず、在宅医療、在宅歯科医療の充実、医科歯科連携、多職種連携、地域歯科医師会の機能強化等に向けての活用が円滑に推進されることを求める。
健康増進・予防の推進について
「生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実」の明記に関しては冒頭記載の通りであるが、その他「受動喫煙対策を徹底」については、国民をタバコの健康被害から守る立場からしても、先進国として当然の措置であり、さらに歯科界としては歯周病の悪化をはじめ、歯及び口腔に与える影響が大きいこと、子どものいる家庭での対策が極めて重要であると認識している。先進国として恥ずかしくない措置を講じた上で、2020年の東京オリンピック、パラリンピックが開催されなくてはならないと考える。
平成30年度診療報酬・介護報酬改定等について
すでに同時改定に向けては各審議会での議論が本格化しており、日本歯科医師会として超高齢社会に相応しい医療、介護が過不足なく提供できることを目指して具体的な提案を開始している。診療報酬・介護報酬改定においては、そのために必要な財源の確保を強く求める。
薬価制度の抜本改革について
近年の高額医薬品の上市や急激な市場拡大の具体例を国の財政状況に照らせば、国民皆保険制度を守る上で一定の制度見直しはやむを得ないことと考える。ただし、目的が限定されることからも、調査を含めて各方面に負担の少ない対応とするべきである。
「当初想定を超える市場拡大が生じること」については、より精密な「当初予測」ができるシステム構築が必要と考える。
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4.医療機関サイトも誇大な表示は禁止 改正医療法成立
6月7日 朝日新聞 |
医療機関がウェブサイトで虚偽や誇大な表示をするのを規制する改正医療法が7日、参院本会議にて全会一致で可決、成立した。ウェブサイトも広告と同様に、虚偽や誇大な表示を罰則付きで禁止する。ほかに高度な医療を提供する特定機能病院の安全管理体制の強化も盛り込まれた。
ウェブサイトは利用者が自ら検索して閲覧するため、チラシや看板のような一般人の目に入る広告と区別され、規制の対象外だった。国民生活センターによると、「ホームページ掲載の費用より実際の費用が高額になった」などの相談が、年間約1千件寄せられている。改正法では虚偽や誇大な表示を禁止し、違反した場合の罰則を設けた。一方、自由診療の広告はこれまで基本的に禁止されていたが、改正法ではウェブサイトの利用者が知りたい情報として、治療内容などの表示を認める方針。今後具体的な基準を定める。群馬大病院や東京女子医大病院で死亡事故が相次ぎ特定機能病院の承認が取り消されたことを受け、改正法で特定機能病院の安全管理体制の強化も盛り込まれた。大学の理事会などに医療安全の監視委員会の設置を義務づけ、病院長の選任は外部有識者を入れて審査することなどを定めた。
広告規制について「過度な規制とならないよう留意すること」「美容医療における死亡事例を含む事故の把握を行うこと」など、特定機能病院の管理体制強化については「再承認にあたっては医療事故当事者に真摯に向き合う体制について十分に確認すること」などの付帯決議が衆参両院で可決された。
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5.歯も「美白」人気 高価な歯磨き用品が好調
5月30日 朝日新聞デジタル |
高価格帯の歯磨き用品が売れている。口内ケアへの意識の高まりを背景に新商品の投入が相次いでいる。
ライオンの歯ブラシ「ビトイーン賛沢ケア」(税込み想定価格310円)は、1〜3月のシリーズの売り上げが前年同期の2.6倍に増えた。毛の密度を高めるなどして「賛沢な磨き心地」をアピール。値段は一般向けの2倍以上だが、2015年の発売から反響が続き、今年3月から商品数を増やした。14年から販売する歯磨き粉「システマハグキプラス」シリーズは、90グラム入りの税込み想定価格が720円。一般向けより300円以上高いが、こちらも1〜3月の売上高が前年同期比で1.3倍に伸びた。
ライオンの今年1〜3月期決算は、高価格帯の歯磨き用品が好調で売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。浜逸夫社長は10日の記者会見で「付加価値の高い商品の拡大をしっかりやっていく」と話した。
花王は4月、歯の着色汚れ除去などの効果を加えた歯磨き粉「クリアクリーンプレミアム美白」(100グラム入り、同600円)を発売。昨年から投入したシリーズで、価格は一般向けの3倍だが人気が高く、商品数を増やした。第一三共へルスケアも4月、美白用歯磨き粉「シティースホワイト」シリーズ(110グラム入り、同1382円)をリニユーアルし、品ぞろえを拡充した。値段は高めだが、「需要拡大を見込んだ」(広報)という。
口内ケア用品の市場は右肩上がりで拡大を続けている。主な要因は、商品の平均単価の上昇だ。同社によると、歯磨き粉の市場規模は10年前から3割増加し、美白用歯磨き粉は8割も増えた。歯磨き粉はかつて「一家にひとつ」が一般的だったが、別々の歯磨き粉を使い分ける家庭が増えてきたとの見方もある。
80歳で20本以上の歯を残そうという「8020運動」によって、高齢者に口内ケアへの関心が広がっていることも追い風だ。厚生労働省の調査によると、1987年に1人あたり平均9.4本だった70〜74歳の「残存歯」の数は、11年には17.3本に増えた。
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